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New Glass 95 Vol.24 No.4 (2009)


巻頭言

HARD WORK ------- p.1 [試し読み] ニューガラスフォーラムの機関誌“NEW GLASS”への投稿依頼が参りました。これは,板硝子協会の会長職が輪番制となっており今年度セントラル硝子に回ってきた事と,ガラス産業連合会(GIC)の会長を今年度は板硝子協会会長が務めることになったことによります。偶然とはいえ二重の幸運(?)に恵まれたわけです。本業が大変な時期に会長職という重責を引き受けて良いのかという不安もありましたが,覚悟を決めました。

セントラル硝子(株)代表取締役社長執行役員 皿澤 修一


特集 「ガラスの溶融と高温物性」

ガラス融体の表面張力と濡れ性 ------- p.3 [試し読み] 濡れ性 図1の教科書によく掲載されている固体表面上の付着濡れの様子を示す1,2)。ここで,γsl は固体液界面の界面エネルギー,γl は気液界面の界面エネルギー(表面エネルギー,表面張力),γsは固気界面の界面エネルギーを表す。液滴と固体のなす角度θ は接触角であり,濡れの程度を表す尺度として用いられる。

(独)産業技術総合研究所  福味  幸平 他4名

ガラス融液の熱力学的性質 ------- p.8 [試し読み] ガラス融液の熱力学的性質は,ガラスの製造工程で生ずる様々な化学反応と関係している。例えば,ガラスの原料バッチを融液とするために必要なエネルギーを見積もるためには,反応熱,融解熱および融液の熱容量が必要である。ガラス融液からの泡抜きには融液中に少量加えた清澄剤の酸化還元反応が利用されるが,その温度,組成依存性は熱力学関係式で定式化される。

滋賀県立大学 菅原  透

ガラス融液の電気化学 ------- p.16 [試し読み] 酸化物ガラス融液は典型的なイオン性液体であり,大抵の場合修飾カチオンの輸率が1 のカチオン伝導体である。それ故電気化学測定がガラス融液のイオン挙動解明の有力な手段となるので従来よりガラスの分解電圧の測定,金属−溶融ガラス界面反応の解明,ボルタンメトリーによるドーパントイオンのredox 反応の解明などについて研究が進められてきた。

滋賀県立大学 三浦  嘉也 他1名

酸化物融液の分相挙動と高温UVラマンスペクトルその場観察による構造解析 ------- p.27 [試し読み] 近年,板ガラス,光学分野に利用されるガラスの需要は増加すると共に,高品質化が益々要求される。更には,環境問題,省エネルギー化の観点から,より低温・短時間での高度なガラス製造技術の開発が急務となり,ガラス溶融プロセスの最適化・高温融体物性や構造の計測技術が重要となる。

九州大学  藤野  茂

溶融酸化物の熱力学的性質と製・精錬プロセスにおける役割 ------- p.31 [試し読み] 溶融酸化物は,金属精錬プロセスの多くの場面で利用されており,一般にはスラグ,フラックスと言われている。前者は過去には鉱滓とも言われ,鉱石から金属元素を抽出した後の脈石成分と添加剤からなるもの,または添加した融剤に溶融金属から酸化排出された不純物などが溶け込んだものをさし,金属製精錬における副産物である。後者は溶融金属の精製や潤滑のために添加する融剤であり,精製プロセスでは諸反応を伴いスラグとして排出される。

東京大学  森田  一樹 他2名


研究最先端

無容器浮遊法による新規機能性ガラスの合成 ------- p.37 [試し読み] 1.無容器浮遊法とは 高温の融液からバルクガラスを作製する場合,一般には坩堝の様な容器に入れた原料粉末を電気炉等で溶融し,その後,冷却,凝固させる。ただし,あらゆる物質がバルク体のガラスになれるわけではなく,例えば酸化物であれば,SiO2やB2O3,P2O5,GeO2等のいわゆる網目形成酸化物を高濃度に含んでいる必要がある。ガラス形成能が低いとされている物質の融液を冷却しても,融液が容器と接している界面(容器壁面)で結晶核が発生し,これを起点として試料全体に結晶が成長してしまうことが多い。

東京大学  増野  敦信


三次元光デバイス高効率製造技術・研究最前線

ガラス内部に形成した異質相の三次元形状測定と屈折率の非破壊測定 ------- p.45 [試し読み] つくば研究室では,ガラス材料技術・ホログラム設計技術・ガラスホログラム作製技術・フェムト秒レーザー加工技術,そして評価技術の研究開発を行っている。すなわち,三次元デバイス形状の位相をコンピューターで計算し,結果としてそのホログラム情報を求め,これをガラス表層部に埋め込みガラスホログラムを作製する。このホログラムを通してフェムト秒レーザー光をガラス内部に照射し,物理化学的に異なる性質を持つ三次元領域(異質相)を高速で作製する。これらの全体技術の一翼を担う評価技術について紹介する。

ニューガラスフォーラム  岩井  実 他1名

2009 OSA Optics & Photonics Congress四方山話 ------- p.48 [試し読み] 本会議での学術内容とは別に,会議に関連するあるいは殆ど関連しない四方山話を報告するようにとの上杉専務からの指示で以下を記す。「三次元光デバイス高効率製造技術」プロジェクトが平成18年(2006年)7月から開始され,早くも3年余が経過した。その内容は,フェムト秒レーザーから出射した極短パルス光をホログラムを通してガラス内部に照射し,結果として立体形状のデバイスを極短時間に作製する技術である。

ニューガラスフォーラム  田中  修平


いまさら聞けないガラス講座

ガラス表面と薄膜の分析技術 ------- p.51 [試し読み] ガラスはよく知られているように非結晶体である。原子や分子の配列が結晶体のように特定の周期構造を作らずにランダムに分布すると言われている。したがって,これらの周期構造を測定するためのX線回折(X―ray diffraction)や電子線回折(Electron diffraction)の測定技術は一見して無縁のように思われる。しかしながら,ガラス素材を用いた製品の高機能化や高付加価値化に伴って,ガラスはもはやガラス単体としては扱われなくなってきた。

日本板硝子テクノリサーチ(株)  酒井  千尋


研究機関紹介

リーハイ大学滞在記 〜初めての留学〜 ------- p.58 [試し読み] 2009年の7月初旬から9月末の3ヶ月弱,筆者は米国リーハイ大学のJain 教授のところでお世話になった。Jain 教授はInternationalMaterials Institute for New Functionality in Glass(IMI―NFG)(URL : http : //www.lehigh.edu/imi/index.html)の長である。IMI―NFGは米国立科学財団の主導のもと2004年夏に発足し,国境を越えた研究・教育活動を推進しガラス分野のさらなる発展を目的とする組織である。

京都大学  西  正之


ニューガラス関連学会

第41回ガラス部会夏季若手セミナー参加報告 ------- p.61 [試し読み] 今年のガラス部会夏季若手セミナーは,大阪府立大学辰巳砂研究室にお世話頂き,奈良県生駒郡の信貴山朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)の玉蔵院で行われた。これまでの41年間の歴史の中で,お寺でのセミナー開催は初めてではないかと思われる。

兵庫県立大学  大幸  裕介

日本セラミックス協会第22回秋季シンポジウム参加報告 ------- p.65 [試し読み] 日本セラミックス協会第22回秋季シンポジウムが,2009年9月16日から18日までの3日間,愛媛大学城北キャンパス(写真1)で開催された。愛媛大学がある松山市は,松山城を中心に市街地が形成されており,会場の城北キャンパスはこの松山城から徒歩10分程度と非常によい立地であった。

東京工業大学  田口  潤

第15回国際ゾル―ゲル会議参加報告 ------- p.68 [試し読み] 2009年8月23日から27日まで,ブラジルのポルト・デ・ガリーニャス(Porto de Galinhas)で第15回International Sol―Gel Conference が行われた。ポルト・デ・ガリーニャスは,大西洋に面した温暖な観光地であり,ペルナンブコ州の州都レシフェ市から南に65km に位置する街である。

京都大学  徳留  靖明

XII International Conference on the Physics of Non―Crystalline Solidsおよび9th International Symposium on Crystallization in Glasses and Liquids参加報告 ------- p.71 [試し読み] 2009年9月6日よりブラジル,フォス・ド・イグアス市にて,XII International Conferenceon the Physics of Non―Crystalline Solids(第12回非晶質の物理会議:PNCSXII)および9 thInternational Symposium on Crystallization in Glasses and Liquids(第9回ガラスおよび液体の結晶化に関する国際会議:crystallization 2009)が開催された。

東北大学  正井  博和

第2回ガラスとプラスチックへのコーティング技術国際シンポジウム(2nd Mini―ICCG)の会議報告 ------- p.75 [試し読み] 第2回ガラスとプラスチックへのコーティング技術国際シンポジウム(2nd Mini―ICCG* Japan)が,青山学院大学& ICCG e.V.の主催により,2009年7月6―7日に青山学院大学総合研究所ビルで開催された。参加者として,国内企業や大学・研究所を中心に70名を上回る多くの方々にご聴講いただいた。

青山学院大学  岡  伸人


新製品・新技術紹介

酸化ニオブゾル『バイラール Nb―G6000』 ------- p.78 [試し読み] 近年,さまざまな分野においてナノ材料,ナノテクノロジーの重要性,優位性が取り上げられている。ナノ化することによりバルク材料にはなかった光学特性,触媒特性,磁気特性などが発現することはよく知られており,材料面でも新しい機能性の製品を生み出すため,あらゆる元素,化合物のナノ粒子が開発されている。

多木化学(株)  井筒  裕之 他1名


コラム

ガラスの向こうの世界 ------- p.83 [試し読み] 今回研究者を職業に選んだ動機や歩んできた道のようなことを,という形でコラムのお話を頂いた。今まで本誌と直接のつながりはなかったのにも関わらずご指名を頂いたのは,一昨年頂いた光学論文賞がきっかけのようである。自分が研究者の定義に入るのかどうか分からないが,職業として研究者を選んだわけではないというのが正直なところである。気がつけば今の自分がいた。

(株)ニコン  菅谷  綾子


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