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New Glass 99 Vol.25 No.4 (2010)


巻頭言 ------- p.1 [試し読み] ニューガラス・フォーラムの機関誌“NEW GLASS” への投稿依頼が参りました。非常に名誉な事と思います,これも昨年度ガラス産業連合会(GIC)の副会長を,今年度硝子繊維協会(GFA)の会長の2期目を務めることによるものだと理解しています。この業界に関係して約3年が経ちましたが,まだまだ自業界以外の事は理解できていないのが実情ですが,この3年間で感じた事を書いてみます。

マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランソワ ザビエリエナール


特集1 「ガラスの構造」

無容器法から合成されたバルク酸化物ガラス ------- p.3 [試し読み] ガラスの合成法には,液体急冷法をはじめ,様々な方法が存在するが,試料を不活性ガスで浮遊させレーザー加熱により融解された「浮遊液体」からレーザー光の遮断により〜1000℃/s程度の冷却速度でバルクガラスを得る無容器法と呼ばれる方法がある。無容器法によるガラス合成の特徴は,不純物混入と結晶化の要因となる容器なしで高温融体を保持できるため過冷却液体状態を実現しやすく,そのため超急冷なしで高純度のバルクガラスが広い組成範囲で得られることである。

(財)高輝度光科学研究センター 小原 真司 他5名

ガラス中の希土類イオンの周囲の構造と発光スペクトル ------- p.7 [試し読み] ガラス中の原子配列を把握することは,そのガラス形成やガラスの示す物性の根源を明快に理解するために,極めて有用なことと思われる。しかしながら,ガラス中の原子配列に周期性がないために,その全体像の理解を極めて困難なものとしている。これに対して,種々の構造解析手法で得られる情報を用いて,計算機の上でモデルとして統合することは,この問題に対するひとつの対応策と考えられる。

東京大学生産技術研究所 井上 博之 他2名

シリカガラスの構造と物性および真性欠陥過程 ------- p.12 [試し読み] シリカガラスは,典型元素のSi とO からなる単純な組成(組成SiO2)のガラスである。優れた透明性,良好な熱・機械的・誘電的特性,高い化学的耐久性など,実用ガラスとして魅力的な性質に恵まれているため,古くから良く研究されており,文献の量も膨大である1−3)。また,その用途も,光学材料をはじめとして,炉材,構造材料,容器類,絶縁材料など多岐にわたっている。

首都大学東京 梶原 浩一

局所原子構造及び熱力学的状態量として捉えるガラス構造 ------- p.16 [試し読み] ガラスと呼ばれる状態は原子配置については並進対称性を持たない不規則構造であると言われ,熱力学的観点からは液体状態が凍結した非平衡な状態であると言われている。長いガラス研究の歴史の中で多くの優秀な理論家及び実験家が解明を目指して研究が続けられてきた課題であるだけに理論及び実験だけで簡単に解明できそうには考えられていない。一方理論・実験に比べると,コンピュータシミュレーションの歴史はまだ浅く,

旭硝子 高田 章

X 線散乱,XAFS,及び,MD シミュレーションによるEr 添加ファイバの構造解析 ------- p.22 [試し読み] SiO2 系ガラスは,近赤外領域の光に対して非常に高い透明性を有しており,光ファイバ用の材料としても重要な役割を担っている。汎用の光ファイバでは,高純度のSiO2 ガラスを主成分とし,用途に応じて種々の元素が添加される。例えば,伝送線路用では光学的屈折率を制御するため,Ge などが添加される。また,光増幅器用のファイバでは,Er などの希土類元素を添加することが多い。

住友電気工業 斎藤 吉広 他2名

ホウケイ酸ガラスの構造と塩基度 ------- p.28 [試し読み] ガラスの物性を予測する簡便な手法として加成則が知られている。加成則とは,両端組成に対して中間組成の物性を直線近似で見積もるというものである。ガラスでは多くの場合,組成変化に対して物性値は単調に増加あるいは減少する。しかし,ガラスの中には加成則が成立しないガラス系も数多く存在する。その代表的なものとしてホウ酸塩やゲルマン酸塩系ガラスを挙げることができる。

岡山大学 難波 徳郎 他3名


特集2 「ガラス産業技術戦略2030年」

「ガラス産業技術戦略2030年」(ロードマップ改定版)の紹介 ------- p.33 [試し読み] ガラス産業技術戦略は,平成12年(2000年)に策定され,平成14年に改訂された。今年の10月に発行された今回の報告書は,その平成14年版を見直したものであり,2回目の改訂版となる。この間の経緯は以下の通りである。

ニューガラスフォーラム 上杉 勝之 他1名


研究最先端

ボソンピークから見たガラス構造と結晶化過程 ------- p.38 [試し読み] 非晶質(ガラス)固体は熱力学的に非平衡状態であり,熱・光などの外部刺激が加わることでより安定な「結晶」へと移行する。このプロセスによりガラス中にナノサイズの光学結晶を析出させることが可能なことから,最近では非線形光学素子や固体発光材料の創製など,結晶化ガラスのフォトニクスへの応用展開が期待されている。

東北大学 高橋 儀宏 他1名


三次元光デバイス高効率製造技術・研究最前線

「液晶空間光変調器を利用した高効率レーザー加工システムの開発と応用」 ------- p.43 [試し読み] 精密で有用な加工が可能でも,時間がかかれば産業で使われることはない。ガラス内部のフェムト秒レーザー加工は長い間このような評価を受けてきたと筆者らは感じている。1995年に平尾・三浦らがガラス内部にフェムト秒レーザーを集光することによってひび割れを生じさせることなく集光点のみで構造変化を誘起できることを発見し,ガラス内部に三次元の光導波路を描画できることを示してから,フェムト秒レーザー加工が一躍脚光を浴びた。

京都大学 坂倉 政明 他1名


ガラス革新溶融技術・研究最前線

NEDO 革新的ガラス溶融プロセス技術開発プロジェクトの進捗状況 ------- p.46 [試し読み] ガラスの製造方法を根本的に変革する可能性を秘めた「気中溶解技術」の実用化を加速するためにスタートした国家プロジェクトが開発目標に向け着実に成果を挙げつつある。8月のNEDO 中間評価分科会では進捗状況の詳細が公表され,11月国際会議ICC3では特別セッションが設置されて最新の研究開発成果が報告された。ここではNEDO 分科会での発表内容をもとに成果の概要を述べる。

ニューガラスフォーラム 伊勢田 徹


いまさら聞けないガラス講座

ガラスの構造とは? ------- p.51 [試し読み] ガラスは結晶とは異なり,無定形(アモルファス)である。このような無定形なものに対して,いかにしてその構造を定義すればよいのだろうか?SiO2 を例にとって考えてみよう(図1)。SiO4/2四面体を最小単位として,かつ長距離構造(長周期にわたる繰り返し構造)がある場合には,石英などの結晶となる。一方,SiO4/2 四面体を最小単位として長距離構造が無い(ランダム構造)場合には,シリカガラスとなる。

京都大学 徳田 陽明 他2名


研究機関紹介

フランスCentre Europ?en de laC?ramique ------- p.56 [試し読み] 今年の春から夏にかけての3カ月弱,フランスのLimoges に滞在した。ここ数年間,少なくとも年・一回以上訪問しているが,今回は少し長くなった。研究室に居なかったので,入院でもしたのかと思われたが,原稿探しをしておられた難波編集長に気づかれ,訪問記を書くハメになった。この欄の記事は,新進の研究者が大志をもって門を叩き,その優れた研究を紹介しているが,私の年齢では,そのような気構えもなく,研究の話は書けない。

名古屋工業大学 野上 正行


ニューガラス関連学会

1)第42回ガラス部会夏季若手セミナー「仕分けに打ち勝つガラス研究開発」参加報告 ------- p.59 [試し読み] 2010年8月4日〜6日,岡山大学難波研究室のお世話で,岡山県総社市にある国民宿舎サンロード吉備路にて第42回ガラス部会夏季若手セミナーが開催された。

日本電気硝子 木村 美樹

2)22nd International Congress on Glass2010参加報告 ------- p.62 [試し読み] 2010年9月20日から25日までの6日間,ブラジルのサルヴァドールにて第22回International Congress on Glass(ICG)が開催された。会場となったホテルはサルヴァドール空港からタクシーで40分ほどと少し距離があるが,海岸に隣接しているので景色は素晴らしかった。しかし,町中を通行している車は運転が荒いため,空港からホテルまでのタクシーの移動は恐怖を感じた。

滋賀県立大学 西久保 嘉範

3)11th International Conference on the Structure of Non-Crystalline Materials 参加報告 ------- p.64 [試し読み] 11th International Conference on the Structure of Non-Crystalline Materials(第11回非晶質材料の構造会議:NCM11)は2010年6月28日から7月2日までの期間,フランスのパリ市において開催された。

旭硝子 高田 章


コラム

民家・町家のこと ------- p.67 [試し読み] まず,三遊亭圓窓師匠の「雷月日」という一席のご紹介から。これは師匠が江戸小咄を落語に仕上げたもので,普通は長屋の大家さんとか八つぁん,熊さんが主人公ですが,これはお日さまとお月さまと雷さまが登場人物という,宇宙スケールの話です。お日さまがこのところ心配で夜も眠れない。

HOYA (株)  虎溪 久良


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