[見学会] 産業技術総合研究所関西センター
産業技術総合研究所関西センターでガラスに関連する研究室として、人工ダイヤモンド、蛍光ガラス、レーザーと3つの研究室を見学させていただいた。研究室の先生方はお忙しいところ熱心な説明をして下さり、参加者との質疑応答も活発に行われた。また、普段お目に掛かることのできない貴重な設備も見せていただき、官の最先端の研究活動を肌で感じることができた
[講演1]「赤外線レーザー照射によるシリカガラス表面の密度変化形成と加工」
産業技術総合研究所 北村 直之 先生
ガラスの密度を高圧印加やレーザー加熱を組み合わせることで局所的に変化させ、ガラスの微細加工を行う技術についてお話をいただいた。特に炭酸ガスレーザーなどを使用し、ガラス表面の屈折率を変化させることで、屈折率分布をもつ平板レンズの研究状況などをデータを示しながら具体的にご紹介いただいた。またレーザー照射の課題であるガラス表面の蒸発を防ぐためレーザーの選定が大切であることもご説明いただいた。本講演は今後大きく発展が予想される微細光学素子の製作について興味深い知見を得られたと思われる。
[講演2]「有機-無機ハイブリッド光学材料の開発とマイクロ構造形成」
京都大学 横尾 俊信 先生
有機-無機ハイブリッドガラスをゾル−ゲル法・無水酸塩基反応法・アルコール縮合法で作製している事例とそのデバイス応用についてご講演いただいた。ゲル溶融法ではEt2O-NaOHaq二相溶液処理法によりガラス作製時間を著しく短縮した実験例、シラノール超低含有ガラスを得るための急速高温処理技術などをご紹介いただいた。デバイス応用評価として作製したハイブリッドガラスのソフトリソ加工、エンボス加工、二光束干渉装置を用いた光加工などについてご説明いただいた。近年注目されているハイブリッド材料の開発に大いに役立つ知見が得られたと思われる。
今回の講演会は開催場所が関西産業技術研究所(大阪)でありましたが、関東の方も多く参加をいただきました。また講演の前に見学会も行い、充実した内容構成となりました。講演では質問も多く、参加者の方には興味深く聴講いただいたと考えております。次回も見学会、講演会をセットで企画しております。会員の皆さんがより多く参加し、有意義に感じていただける会にしていきたいと考えています。恒例の懇親会も多くの方に参加していただき、とても盛り上がりました。これからも若手懇談会をどうぞよろしくお願いいたします。
以上
2008年6月17日
若手懇談会 副会長
宮地 正己、深沢 祐司