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Asahi Glass Co., Ltd Nippon Sheet Glass HOYA Glass Nippon Electric Glass

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最新号目次


Serial No.132 cover photo NEW GLASS
Vol.36 No.1 2021
(Serial No.132)
表 紙:国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にある静電浮遊炉。微小重力環境を利用して,酸化物をはじめとする高融点材料を浮かせた状態で溶融,凝固することが可能。無容器での新材料の合成や融液の高温熱物性の測定への活用が期待される。


巻頭言

コロナ禍の国際交流 GLASS MEETING 2020 開催 ------- p.1 [試し読み]

1年前の今頃には世界中で誰も予期していなかった COVID-19の蔓延は,2020年の1年間のあらゆる活動に影響をもたらしました。日本では,東京でオリンピックが開催され,海外から多くの人々を受け入れて,街中はもちろん,日本中のあらゆるところで,観光や訪問を受け,活況を呈し,経済活動も順調に上向きに成長するだろう,とだれもが期待をし,疑いを持っていなかったのではないかと思います。

東京工業大学 物質理工学院 教授  矢野 哲司


特集「ガラスの化学的性質―化学結合やイオンの移動の観点から―」

1)リン酸塩ガラスの耐湿性へのSiO2添加の影響 ------- p.3 [試し読み]

リン酸塩ガラスは高濃度で遷移金属元素や希土類元素の金属酸化物を含有して,ガラス形成が可能である特徴を有する。またケイ酸塩ガラスと比較して紫外線・赤外線領域に特徴的な吸収・透過をもつ特徴を有する。これらの特性を組み合わせ,リン酸塩ガラスは光学フィルターなどの光学材料やファイバーレーザー用光ファイバー・放射性廃棄物固化ガラスなどのホスト材料として重要な存在である。一方でリン酸塩ガラスを商用材料として用いる場合,ケイ酸塩ガラスと比較して化学耐久性とりわけ耐水性・耐湿性が乏しい点が課題となる事が多い。

日本電気硝子(株) 池田 光

2)鉄リン酸塩系ガラスの耐水性に及ぼす組成の影響 ------- p.6 [試し読み]

鉄リン酸塩ガラスは,従来のアルカリホウケイ酸塩ガラスと比較して,種々の金属酸化物を高濃度に含有させた上でガラス形成可能であり,耐水性に優れる特徴を有している。これらの優れた特性から,ホウケイ酸塩ガラスでは溶融・ガラス固化が困難な,特殊な放射性廃棄物を減容化かつ安定に固定化させる目的での新しいガラス固化媒体として注目されている。本報告では,我々の研究を基に,放射性廃棄物固化ガラスの重要な特性のひとつである耐水性に注目し,一般的なリン酸塩ガラスと比較しながら,鉄リン酸塩ガラスの耐水性に及ぼすガラス組成の影響について紹介する。

愛媛大学大学院 武部 博倫

3)共沈法による非晶質アルミノシリケートの調製とそのイオン交換特性 ------- p.11 [試し読み]

我々は,触媒調製法の一種である共沈法をアルミノシリケートの調製に応用することにより,ゼオライトのように塩基性条件下で加熱せずともシリコンとアルミニウムが酸素を介して結合した均一な非晶質アルミノシリケートを得ることができることを見出している。既往の研究ではこの非晶質アルミノシリケートはゼオライト合成の前駆体として利用されているのみであるが,アルミニウムと電荷補償カチオンがシリカマトリックス中に均一に存在することから,それ自身が良好かつ安価なイオン交換体となり得ると期待される。本稿では,非晶質アルミノシリケートの調製とそのイオン交換体としての応用,局所構造解析の結果を述べる。

東京大学大学院 伊與木 健太 他2名

4)先鋭化したイオン伝導性ガラスからの1価イオン放出 ------- p.16 [試し読み]

“はやぶさ 2”の飛行を支えたのはイオンエンジンと呼ばれる極めて燃費の良いロケットエンジンで,イオン化したキセノンを噴射することで推力を得ている。燃料のキセノンは〜60kg に達し,ガスボンベの探査機に占める体積も大きい。筆者らの研究しているガラス(固体)からのイオン放出では,イオン化に磁場やマイクロ波,プラズマなどは不要でイオン銃のサイズを手のひら程度に小さくでき,この方式のイオン放出でいつか宇宙開発にも貢献したい。ここではイオン放出やガラスへのイオン注入の研究歴を最初に述べた後,筆者らが取り組んでいるイオン伝導性ガラスからのイオン放出について利点や問題点について解説する。真空では無い大気圧でのイオン放出実験にも力を入れており,生細胞への直接イオン注入による効果についても,定性的なデータになるが一例をご紹介したい。

名古屋工業大学 大幸 裕介

5)ガラス上への有機無機ハイブリッドゾルゲルコーティング ------- p.23 [試し読み]

ゾルゲルコーティングは,ガラスに様々な機能を付与する手段として活用されている。特に大面積コーティングとしては自動車向けの応用事例が多く,近年では IR カットガラス,スーパーUV カットガラス,また,両者の機能を併せ持つガラス等が開発されている。これらは,IR カット,UV カットなどの機能を有する微粒子を,シリカと有機ポリマーからなるハイブリッドマトリックスに分散した膜をガラス上に形成したものであるが,従来大面積ゾルゲルコーティング技術で限界といわれていた膜厚200〜300nm を大きく上回るミクロンオーダーの厚膜であることが特徴となっている。

日本板硝子(株) 神谷 和孝


研究最先端

ガラス相を示す金属―有機構造体(MOF) ------- p.26 [試し読み]

金属イオンが架橋性の配位子によって連結されたネットワーク構造を広く配位高分子と呼ぶ。これに従うと,天然に見られる有機鉱物や金属リン酸塩なども配位高分子として分類できる。様々な有機配位子を用いることで,配位高分子の構造の設計性や多様性は飛躍的に向上した。1990年後半には一部の配位高分子が安定な多孔体として働くことが示され,ポーラス材料として発展した。有機配位子で骨格が作られる配位高分子を金属−有機構造体(MOF)と呼ぶ。MOFは分離・触媒・伝導・磁性など多彩な機能を備えた物質群として広く認知され,応用も進んでいる。MOF の多くは単結晶を育成でき,これまで専ら結晶を対象にした研究が主であった。一方で MOFのガラスに関する研究はほぼなかった。

京都大学 堀毛 悟史


いまさら聞けないガラス講座

ガラスの普遍的励起ボゾンピーク: 不均一弾性体理論 ------- p.31 [試し読み]

結晶の振動状態密度は,周波数の2乗で増加する。これはデバイ則と呼ばれる。これに対して,ガラスはデバイ則よりも大きい振動状態密度を示す。この現象は「ボゾンピーク」と呼ばれ,これまでに多くの実験によって普遍的に観測されてきた。ボゾンピークは,ガラスの弾性率が空間的に不均一であることに起因する。ガラスが不均一な弾性体であることから(デバイ則に比べて)過剰な振動状態密度が生じることを説明できる。弾性率の不均一性がガラス特有の物性を生み出す点については,過去の記事で紹介させていただいた。本稿では,不均一な弾性体の運動方程式を直接的に扱い,解析的にボゾンピークを示そう。

東京大学大学院 水野 英如 他1名


ニューガラス関連学会

1)GLASS MEETING 2020(第61回ガラス及びフォトニクス材料討論会)参加報告 ------- p.36 [試し読み]

令和2年12月7〜9日および 16〜18日に GLASS MEETING 2020 がオンラインで開催された。この会議は,第 61回ガラスおよびフォトニクス材料討論会,The 12th International Conference on Advances in Fusion and Processing of Glass,The 16th Symposium of Glass Industry Conference of Japan,第 2回放射性廃棄物固化体討論会,Student and Young Researcher Forum on Glass Researchの5つのジョイントミーティングである。当初は東京工業大学大岡山キャンパスでの開催を予定していたが,COVID-19 の感染拡大の影響が広がる中で,Web 開催形式に変更することとなった。

東京工業大学 岸 哲生

2)GLASS MEETING 2020 参加報告 ------- p.39 [試し読み]

GLASS MEETING 2020はコロナ禍の影響によりオンライン形式での開催となった。参加者としてだけでなく,AFPG のプログラム委員として運営に携わった点も含めて,振り返りたい。オンラインの国際会議では時差が参加の障壁になりうるが,GLASS MEETING ではより多くの参加者が発表を視聴できるように 4つのタイムゾーンに分けて動画を配信するという前例を見ない方式が採用された。今回の GLASS MEETING には14の国と地域から約 200名が参加した。アジア,ヨーロッパ,アメリカ,南米およびアフリカと多様な地域からの参加があったのは,オンライン形式のメリットと言えるだろう。

日本電気硝子(株) 吉田 紀之


コラム

太陽電池のゴミをどうするか? ------- p.41 [試し読み]

太陽電池(PV)のリサイクルは,家電,建築,自動車のリサイクルや核燃料リサイクルに比べて,遅れている。制度が設計されておらず,FIT の受益者がリサイクル費用を負担する仕組みもない。さらに PV の導入推進と環境の破壊や汚染を見据えた規制とのバランスのとれた政策が執行されていない。2010年代半ばから,素性の不明なPVの輸入が急増している。

ガラス技術研究所 織田 健嗣



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